ここは架空の国Japanのとあるど田舎の農村。
人間よりもイナゴの数のほうが多い、過疎バリバリの稲作地帯だ。
そんなど田舎の畦道を、3人の若者が悠々と歩いている。
そう、彼らこそがソメレンジャーなのだ。
先頭を行くのがリーダーのエドワード=オーリッシュ=ゴイヤー。
2番目がレオン=アストゥリアス。
そして最後がアルブレヒト=レイニーである。
とにかく3人は歩いていたのであった。
エディ「本当にこんなさびれた村にあるのか?」
レオン「間違いないよ。大手製薬会社(株)ニガジャイと、ウロッド大学付属の原子力開発研究所が秘密裏につながって何かをやらかしているのは前回のあらすじの通りだが、・・・」
エディ「おい待てこれが初回だろ!前回のあらすじって何だよ・・・」
アル 「そう、そして研究所に与えられた国の補助金の使途を調べてみると、莫大な量の金が不正に何かに注ぎこまれていた・・・。」
エディ「ABC兵器の開発・・・!!(前回・・・?)」
アル 「(株)ニガジャイと研究所から、この地域に大量の物資が移動しているのも確認できた。だからきっとこの辺りで実質的な開発が行われているんだと思う。」
エディ「・・・しかし、本当にどうでもいいような田舎だな。人家もまばらだし、いるのは田んぼで農作業をしているじいさんばあさんくらい・・・何か怪しいものはないか?」
レオン「おそらく今この辺で一番怪しいのは僕らだね。」
エディ「・・・・・・」
アル 「おやおや。」
エディ「・・・確かに言われて見れば、こんな仰々しい横文字の名前で、あからさまにガイジン顔で、日本語を流暢に話し・・・」
アル 「レオンは東洋顔だね。」
レオン「僕はシンガポールの華人なんだ。」
エディ「華人!?じゃあそのイベリア半島みたいな名前は一体何なんだ!?」
レオン「ミドルネームはカスティリアだ。」
エディ「そこまでイベリア半島!?」
レオン「うるさいなあ。人の名前にケチつけないでくれ。君たちのほうこそ、エドとアルでなんか錬金術師みたいじゃないか。」
2人 「ガーン!!」
アル 「既成の著名作品の威を借りてウケを狙うなんて卑怯だよ、レオン。」
エディ「・・・遊んでないで早く探すぞ。」
レオン「はーい♪」
アル 「・・・。」
3人はとりあえず田んぼを抜けて、人家と森のある方へ向かうことにした。
と、その時。近くにいた農作業中の老翁が3人に話しかけてきた。
老翁 「やあやあ、あんさんら、見ない顔だねぇ。」
エディ「(くっ・・・やはり目立っていたか。)はい、俺たちは観光・・・」
レオン「僕ら、Japan野鳥の会の者なんです。紅と白、どっちの数が多いかを数えに来たんです。」
老翁 「ホぉ〜そうじゃったか。それはまたご苦労さん・・・今年はきっと白組優勝ですな。はっふっふ。」
エディ「(何故怪しまんのだ!!?)」
レオン「じゃあおじいさん、おいしいお米を育てて下さいね。」
老翁 「はいな。」
3人は何とか身分を隠し(?)再び進み始めた。
その時だ!!!
“バキューン”
3人 「!!?」
突然の銃声に3人は驚き、そして振り返る。
さっきの老翁が、3人に向けてライフル銃を構えていたのだ。
・・・いや、老翁だけではない。
辺りの水田で農作業をしていたじいさんばあさんたち全てが銃口を3人に向けていたのだ!!
どこに隠していたのやら・・・
3人 「・・・」
老翁 「フハハハハハ!!まさかそんな嘘がワシらに通じるとでも思ったのか!フハハ、愚鈍な者たちめ!Japan野鳥の会は、もう紅白豚合戦に招かれることはなくなったのだ!!即ち数を数える必要も無い!したがって貴様らは嘘をついておる!」
エディ「(豚合戦・・・)」
老翁 「わかるぞぉぉぉう。貴様らはニガジャイ製薬とウロッド大学のことを嗅ぎ回っているのだな?」
エディ「・・・そうだ。」
老翁 「フハハハハ!今までにも沢山おった!そのような輩が!しかし皆この田んぼのコヤシとなった!ワシらの手によってな・・・。」
アル 「ゲリラだね。」
老翁 「いかにも。我々は奴等に雇われたゲリラなのだ。邪魔者を排除するためのな!さあ、死ね!!」
老翁が天に向かって一発放つと、周囲の者たちは一斉に射撃し始めた。
“ズドドドドォ〜ン!”
老翁 「フハハハヒャ!蜂の巣になってしまえ〜〜!」
アル 「おやおや。」
老翁 「!?」
レオン「コヤシか蜂の巣か、はっきりしてよね。」
老翁 「ど、どこじゃ!?」
エディ「お前は少し黙ってろ、レオン。」
老翁 「ムムウ!貴様らぁぁ!」
何と、3人は、あの銃弾の嵐をかわして、離れたところにあった百葉箱の上に颯爽と立っていたのだ。
実際3人も乗れねーよ。
と思ったけどまあよろしい。
アル 「エディ。」
エディ「よし!こうなったら変身だ!」
ばば〜ん!!
3人は跳びあがるとセーラームーンよろしく無駄に回転して変身を遂げた。
エディ「ニュートラル・レッド!(中性赤)」
レオン「ナイル・ブルー!(ナイル青)」
アル 「ビスマルク・ブラウン!(鉄血宰相茶)」
3人 「生体染色戦隊、ソメレンジャー!」
老翁 「何ぃぃぃ!!!?」
ゲリラたちは3人の正体を知るとどよめいた。
老翁はわなわなと震えていたが、急に決意したように3人をしかと見た。
老翁 「ソメレンジャー・・・!!」
エディ「どうした。フン、怖気づいたか?」
老翁 「孫がファンなんですよ!」
3人 「・・・は?」
老翁 「いやあ〜、毎週欠かさず見てますよ、ソメレンジャー。まさかあの視聴率95パーセントの番組の主人公たちに会えるなんて夢のようです。」
エディ「いや、放送してないし。」
老翁 「何ぃぃぃぃ!!」
老翁の激昂に、3人をTVのヒーローだと勘違いしていたゲリラたちも我に返った。
てか視聴率高すぎやん(・_・;)
老翁 「くそおぉう!民放を見ることが出来ない地方の人間をよくもダマしたなあああぁ!!」
レオン「あ、痴呆だったんだ。」
アル 「都会に遅れを取るまいとして知ったかぶりをしたのが仇となったね。君たちの負けだ。」
エディ「いやいやいや。まだ勝ってないぞ俺たち。」
老翁 「フ・・・フハハ!いい度胸だ、ソメレンジャー。フフフ・・・雑魚相手にはこのような大技は使わんのだが・・・どうやら今回は相手が違うようじゃな。」
3人 「・・・。」
老翁 「存分に戦わせてもらう!!皆の者、行くぞ!!
最終奥義、3チャン農業!!!」
3人 「!!」
老翁が叫ぶと、ゲリラたちが次々に変身し、3人に猛然と襲い掛かってきた。
A 「ハッチポッチステ〜ション♪グッチフラッシュ!!」
エディ「ぐはっ!」
B 「四方六方八方〜♪手裏剣!!」
レオン「がふっ!」
C 「ハロイトヘホニハハロイトヘホニハハロイトヘオニハクインテット♪アキラビーム!!」
アル 「げほっ!」
老翁 「フハハハハヒャ!どうだソメレンジャー!手も足も出ないようじゃな!ヒャハハ!ワシらの力を思い知ったか!」
アル 「・・・っていうかさ・・・」
3人 「その3チャンは教育テレビだろーー!!」
老翁 「フハハハヒャ!」
エディ「厄介だな。」
レオン「ああ。いくら何でもNHKに拘泥しすぎだ。」
エディ「それかよ!」
アル 「・・・おや?」
ふと急に、高らかに笑っていた老翁の顔色が変わった。
銃を取り落とすとガクリと膝をついた。
エディ「ん?何だ?」
老翁 「ぐ・・・ぐぉぉぉぉ!腹が痛い・・・!!」
3人 「は?」
見ると、周囲の老人たちも腹を抱えてうめいている。
レオン「わかったぞ!!」
エディ「何だ?」
レオン「ゲリラって、おなかの弱い人たちのことなんだ・・・!」
2人 「は?」
レオン「下痢等。」
2人 「ガーン。」
アル 「ともかく・・・反撃しよう。我々の力を見せ付けよう。」
エディ「そうだな。レンジャーはもとはと言えば遊撃隊、ケネディ政権以後は対ゲリラ戦用の特殊部隊のことだ。ゲリラには負けるわけにはいかない。」
レオン「下痢等相手にうってつけの武器があるよ。僕が30年かけて開発した史上最強の対下痢等兵器さ!」
エディ「お前まだ27だろ・・・」
レオン「ばば〜ん!これだ!
正露GUN!!」
2人 「・・・」
レオン「この銃に、正露丸をつめこんで発射するんだ。」
アル 「おやおや。」
エディ「まあいい。やるしかない、行くぞ!
リロード!」
“パッパラパッパ、パッパラパッパ
パーラパーラプープープ
パッパラパッパ、パッパラパッパ
パーラパーラプー(正露丸のテーマ)”
老翁たちは正露GUNによって撃ち出された正露丸をくらう(食らう)と、
腹痛が治り、喜んでライフルを構え直した。
エディ「・・・・・・治してどうすんじゃー!!」
レオン「くそっ!何で効かないんだ!!?」
エディ「効いてるから治ってんだよ!このウケ狙いめ!」
アル 「エディ。これならどうだ。特別につくらせた散弾銃だ。」
エディ「おお!これは・・・!」
アル 「赤玉はら薬 1包30粒!!」(20だっけ・・・?)
エディ「ブルータス!!!これ以上消化器官癒すなよ・・・」
アル 「どうする?」
エディ「決まってるだろ?便秘にはコーラック♪」
2人 「ええ〜!?」
レオン「大差ないじゃないか。結局君もウケ狙いだ!」
エディ「うるさいな。いいか、下痢等はお前の言った通り下痢なんだ。だから便秘の薬を投与すればさらに下痢が促進され奴等は戦闘不能になる。」
レオン「成程。」
アル 「さすがだね。」
エディ「よし、今度こそ行くぞ!」
2人 「おー!」
そしてソメレンジャーは下痢等相手にコーラック・ナパームを放ち、見事勝利を収めたのだ!!!早っ!!
アル 「終わったね。」
レオン「・・・手ごわい相手だった。初戦でこれだと、ボスはもっと苦戦しそうだね・・・ビオフェルミンも用意しておこうか。」
エディ「もう要らんて!整腸薬ネタはもう終わりだ!!」
アル 「さて、これからどうしようか。」
エディ「とにかく田んぼを抜けてから怪しそうな所を探ろう。」
レオン「待って。1つ怪しいものを見つけたよ。」
エディ「何だ、また俺たちだとか言うんじゃないんだろうな。」
レオン「違うよ。さっきの百葉箱だよ。」
エディ「百葉箱?」
アル 「いたって普通に見えるけど・・・」
レオン「この百葉箱、扉が南向きだ。」
2人 「?」
レオン「いいかな、百葉箱っていうのは扉は北向きになるように設置されるんだ。それに、こんなに水の多い所では正確なデータを取ることはできない。この百葉箱はニセモノさ。」
エディ「珍しく真面目じゃないか。」
アル 「じゃあ調べてみようよ。」
3人 「おー。」
3人は慎重に扉を開けた。
アル 「・・・これは!!」
エディ「ガイガー・カウンター!!何故こんなところに・・・。」
アル 「これで、少なくともこの辺りに原子力開発研究所がからんでいることは確実になったね。」
エディ「よし、徹底的に探るぞ、行こう!」
3人 「おー。」